また終わり。わかってたはずなのに。

またフラれちまった。

いつもだったら大好きで大好きで、でも相手が離れていってるのがわかってて、それでも嫌だーーってなりながら、最終的に首を落とされるみたいな感じで別れを告げられてた。

 

でも、今回は違うんだ。

まだ相手に別れる気がなかったっていうのにオレが原因で別れた。

 

いや、オレにだって言い分があるんだ。

ダセぇけどここで少し吐き出させてくれ。

 

原因っていうのは何かっていうと、わかりやすく言えば、オレの浮気だ。

正確には浮気未遂だ。

 

オレは彼女がいるっていうのにマッチングアプリを使っていた。これだけ聞くとオイ、最低だなってなるよな。

 

 

いや、オレも本当に最低だと思うよ。

今思うともっとやりようがあったんじゃねえかとも思うよ。

だけど、なぜオレがこんなことをしてしまったのか。

それを今日だけは聞いてほしいんだ。

 

彼女と付き合って一年半ぐらいが経った頃だったかな。

だんだんとオレたちの関係は変わっていった。

 

昔は好き好きっていう感じだったんだが、徐々に家族みたいになっていった。まあ、いわゆるマンネリ化、倦怠期なんていうふうにも言われるものだったのかもな。

 

昔は暇さえあればやっていたセックスもしなくなった。

なんならキスの回数も少なくなっていった。

一緒にお風呂に入ることもなくなったし、好きって言う回数も少なくなっていった気がする。

 

そうなってくると男ってのはどうも満たされなくなってくる。

少なくともオレはそうだ。

別にセックスだけがすべてって言いたいんじゃない。

でも、したいと思った時に断られるあの悲しさ、きっとこの人はもう冷めてしまったんだろう、もう受け入れてくれないんだろうって心のどこかで感じるあの虚しさ。

この感情はオレの中でドス黒い疑念となって居座り続けるようになった。

 

こんなことがある中で、小さな不満はやがて絶望感と閉塞感に変わっていった。

彼女の仕事のストレスで数週間会えなくなったり、ふとした時にあてられる八つ当たり、愛のない言葉、合わない生活リズム、数え上げたらキリがない。

 

いつの間にか、オレは彼女をありのまま受け止められなくなっていった。

どこかでガス抜きしなければ、どこか逃げ道がなければ付き合い続けられないと思った。

 

 

不思議なことになぜかこの段階で自分から別れるってことは言えなかった。いや、いつかは別れるんだろうなとは思ってたし、こいつと結婚したくねぇなとは思ってたけどね。

 

オレの弱いところなんだろうか。誰かをふったりすることができない。絶対に後悔することがわかってるからだ。

というか、言い争いになったり向き合ったりすることが怖いからかもしれない。

いや、それってすごい怖いことだよな。

今考えてもとても向き合うことはできない。

 

 

そんなオレができる唯一の選択肢、それは勝手知ったるマッチングアプリの世界に逃げ込むことだった。

ここでは、オレは責任のないただの男だし、出会う女性はオレと話したい人ばかりだ。

 

オレの嫌なところも相手の嫌なところも見えない。

お互いキレイなままで恋愛ごっこを楽しむことができる。

 

そこで、セフレでもこっそり作れたら最高だな。なんてバカげた都合の良い考えもあった。

なんたって彼女とセックスレスだったからね。

 

 

で、これがバレた。バレるかもなとは思っていた。

彼女の友達とかマッチングアプリやってる可能性はあったからね。

でもそれでもオレはどっかで大丈夫だろと思ってやってしまった。そして、それがまさに友達経由でバレてしまった。

 

もちろん、バレたら仕方ねえなって考えもあった。

オレはずっと絶望感と閉塞感の中にいたからだ。

 

こいつはオレのことを理解していない。理解する気もない。

こっちがどれだけ世話をしていると思ってる。

 

毎週毎週クソ遠い彼女の家まで行って、こっちだって疲れてるのにご飯作ったりして。

オレは一回も彼女のことを貶してないのに、ずっとオレのことを貶してきたりして。オレはそれが彼女なりのスキンシップだとしても嫌だった。嫌ってことも伝えてたのに。

 

挙げ句の果てには休日は疲れてるからとか言って会うのをドタキャンされたり。誕生日だったのにすっぽかされたり。

謝れば、理由があれば、いいってものなのかな。

オレは許してたけど本音ではがっかりしていた。

 

まあやっと会えてもつまらないんだけどね。

疲れた、仕事があるって言ってどこにも出かけないし。

出かけたと思ったらいつもよく行くファミレスとか。

もう何回来てんだよ、てかこんなとこの飯ばっか食いたくねぇよって感じだった。

 

うわ、なんかすごい書き殴っちゃったな。

こんなに不満が溜まってたんかい。オレ。

なんで付き合ってたんだろうな。本当に。

 

 

結局何が言いたいかっていうとマッチングアプリしてることがバレても別れりゃいいやって思ってたってこと。

 

でも、現実はそうじゃなかった。

 

 

別れ話をされた時に、オレは泣いて謝っていた。

アレレ?って思うけどなぜか別れたくなかったんだよ。

この子にもう会えないって思ったら急に寂しくなってさ。

手作りのアルバムとか見たら申し訳ねえなって思っちゃってさ。

 

 

んで、さすがに心入れ替えてもう一回やり直そうって思った。

そしてその日から2週間。

 

 

やっぱりあなたのこと信じられませんって言われてフラれちまった。

まあそりゃそうかと思った。よく考えたら普通に浮気だもん。

裏切りだもんなコレ。

 

 

フラれちまったのは仕方ない。

オレもずっと迷いがあったし、上につらつら書いたことそのまんまなんだけど。

 

 

で、やっぱオレ寂しい。もう会えないって思ったらめっちゃ悲しい。

なんなんだよコレ。バカなのかなオレ。

 

 

また戻れたらなって思っちゃってるよ。

オレ女に生まれなくてよかったよ。女だったら絶対ダメな男と付き合い続けるタイプだよ。

 

わかってる。これは一時的に寂しくなってるだけ。

喪失感で不安になって焦っちゃってるだけ。

 

 

少し、このまま日々を過ごしてみよう。

ツライかもしれないけど、どっかで絶対落ち着くはず。

 

 

うん。オレはこれの乗り超え方知ってるから大丈夫。

時間が無情なほどにすべてを洗い流してくれる。

 

 

 

オッケイ。とりあえず落ち着いたらまたマッチングアプリでもはじめてみっか笑

なんてね。本当クソ野郎だよな。ごめんな。

君と付き合えて楽しかったよ。でも楽しくないこともいっぱいあった。

 

それが言い訳にはなんないよね。でもオレだって浮気したくて君を傷つけたくてやったわけじゃないんだ。

 

 

ただオレが弱かった。そしてそれが最悪の結果になった。

オレたちはいつか終わってたと思うけどこんな終わり方じゃなくてもよかったかもしれない。

 

それだけが本当に申し訳ない。

君に最後まで優しくしたかった。いい彼氏でいたかった。

でもそれがダメだったんだよね。

ちゃんと君に等身大で向き合えばよかったんだ。

 

 

最後にちゃんとフってくれてありがとう。

君のこと忘れることはないだろう。気持ちは薄れてわかんなくなっちゃうだろうけど。